全国的に品質が高いとされる群馬の日本酒。2022年度の全国新酒鑑評会では出品した17社のうち8社が金賞で、全国2位の割合だった。金賞を取った永井酒造(群馬県川場村)は「ワインが優勢な海外市場でも勝負できるはず」と輸出に力を入れる。そんな酒蔵とタッグを組んで酒の振興を支えるのは、取り締まりの印象が強いある国の機関だった。
「この水が、私たちの商品を支えています」
10月、中東のドバイからバイヤーが永井酒造を訪れた。6代目の永井則吉社長(51)は、利根川を源流とする川に自ら案内し、自然の中で同社のスパークリング日本酒「水芭蕉(みずばしょう)ピュア」をふるまった。「高級ワインに肩を並べる日本酒を」と、700回の失敗の末に5年がかりでつくった逸品だ。
川のせせらぎを聞きながらグラスを傾けたバイヤーは、日本酒のうまみと発泡によるさわやかさを両立させた味に目を丸くし、「very good」と何度もうなずいた。永井社長は、山々が広がり質の高い雪解け水が流れる群馬は、酒造りに適していることもアピールした。
商談を見守っていた国の職員
その後、一行は8月にオープ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル